失業について

失業(しつぎょう)とや、わじゃを失うくとぅおよび働く意思も能力もあるぬんかいわじゃんかい就けねーらん状態を指す。また、そのさいうにわじゃがねーらん状態を無職(むしょく)ともあびん。


■失業の要因別分類
失業を発生要因別んかい次のさいうに分類ないん。

構造的失業: 産業構造ぬ変化んかい伴い、企業側ぬ求める人材と求職者とが合致しねーらん状況でぬ失業。
循環的失業: 景気ぬ変動んかい伴って生じる失業で、需要不ひさ失業とも呼ばれる。
摩擦的失業: 労働力が地域間や産業間で移動しちゃん時んかい発生する失業。一時的な失業とされている。
季節的失業: 季節的要因んかいより発生する失業。

さらんかい、次ぬような失業も考えるくとぅがないん。

潜在的失業: わじゃんかい就きたいと思っているがてーげーなわじゃがねーらんんでぃいーん理由から、わじゃを探すくとぅをやめる失業[てぃーち][たーち]。
自発的失業: 自己ぬ意思んかいより失業を選択そーん、あるいやよりじょうとう労働条件を求めてどぅーぬ意思で失業するくとぅ。
非自発的失業: 現行ぬ賃じんで就職を望んでいるんかいもかかわらず、自ら望まねーらん形で失業そーんくとぅ。


非自発的失業
非自発的失業ぬ存在を認めるかどうかんかいついてや、経済学者ぬ中で意見が分かれる。

古典派経済学でや、不完全雇用を伴う均衡ぬ可能性を否定そーん。すなわち、摩擦的失業以外ぬ原因んかいよる非自発的失業や、賃じん価格が伸縮的であいば調整ぬ過程を除いてや存在しねーらんとそーん。これや古典派が、価格ぬ自在な伸縮んかいよって全てぬ売れ残りぬ解消が可能とするセイぬ法則をみぃ〜提として、失業者や現在雇用されている労働者よりも低い賃じんを提示して職を見つけるくとぅが可能やいびぃ〜んとするためやいびぃ〜ん。賃じん価格ぬ下落んかいよって失業が解消されねーらんぬや、うぬ賃じん以下でや働かねーらんんでぃいーん労働者ぬ選択んかい唯一ぬ原因があるとすん。

これんかい対してケインズや、セイぬ法則と相対する有効需要ぬ原理を提示し、社会全体ぬ生産物んかい対する需要んかいよって雇用量が決定されるとして、不完全雇用を伴う均衡ぬ可能性を認める。うぬさい有効需要ぬ不ひさんかいよって発生しちゃん非自発的失業や、総需要を拡大するくとぅんかいよって解消されなければならねーらんとしたさー。

ニューケインジアンやより詳細んかい、セイぬ法則ぬみぃ〜提ぬ下ヤシガ、多くぬ場合名みー賃じんんかいや下方硬直性があると指摘し、非自発的失業者が存在する状態ヤシガ、賃じんが容易んかい低下しねーらんとすん。くぬぅため古典派ぬ主張する労働需給ぬ均衡過程や短期でや成立しねーらんと指摘すん。名みー賃じんぬ下方硬直性を説明する要因としてや、相対賃じん仮説、効率賃じん仮説、インサイダー・アウトサイダー仮説など様々な理由が考えられている(詳しくや労働経済学を参照)。


■失業の歴史
中世キリスト教世界では、貧しいことは神の心にかなうこととされ、そういう人に手を差し伸べることは善行であった。宗教改革は、こういった見方を一変させ、「怠惰と貪欲は許されざる罪」で、怠惰の原因として物乞いを排斥し、労働を神聖な義務であるとした。プロテスタンティズムの流行は貧しいものへの視線を変容させ、神に見放されたことを表わすという見方が広がり、都市を締め出された貧民は荒野や森林に住みつくか、浮浪者となって暴動を起こすようになった。

イギリスでは1531年に王令により貧民を、病気等で働けない者と、怠惰ゆえに働かないものに分類し、前者には物乞いの許可をくだし、後者には鞭打ちの刑を加えることとした。1536年には成文化され救貧法となり、労働不能貧民には衣食の提供をおこなう一方、健常者には強制労働を課した。産業革命が加速する18世紀まで、健常者の「怠惰」は神との関係において罪として扱われ、救貧院の実態は刑務所そのものであった。18世紀以降、キリスト教の価値観を離れた救貧活動が広がり、ギルバート法の成立やスピーナムランド制度がイギリスで成立し、救貧や失業に対する価値観はようやく変転を見せた(救貧法参照)。

産業革命以後、賃労働者の比率が高くなったことから、失業は重大な社会問題として取り扱われることとなった。19世紀のイギリスにおいては、金融と設備投資の循環から、ほぼ10年おきに恐慌が発生しており、そのたびに失業率が10%近くにまで上昇する循環があった。

20世紀に入って、この循環は次第に崩れ、1929年に発生した世界恐慌以後は、各国で失業が急増。アメリカでは一時失業率が25%に達し、社会革命が公然と叫ばれた。なお、この時の失業はニューディール政策により一時的に減少したが、政策が後退すると再び増加し、太平洋戦争による大規模な軍需発生まで解決されなかった。

戦後、ブレトンウッズ体制の下で西側諸国は奇跡的な高度成長を達成。国家による経済政策への大幅な介入により完全雇用がほぼ達成された。1970年代に入ると、名目賃金の上昇とオイルショックの発生で供給構造が傷み、インフレーションの下で失業が増加した。

1980年代に入ると不況からの脱出を図り新自由主義的経済政策が導入され、労働市場が流動化した国々では経済成長率が高まったが、同時期にインフレ率抑制を目的にした金融政策が採用され、失業率は大幅に上昇した。

1990年代になり、アメリカ・イギリスは構造的な高失業から脱出したが、大陸欧州諸国は高い失業率に甘んじた。また、欧米に比べ低失業率だった日本においても、バブル経済崩壊以降の長期不況により失業が顕在化、社会問題となった。


■失業率

・定義
失業を測る尺度やいびぃ〜ん失業率や、労働力人口んかい対する失業者数ぬ割合で定義される。失業者とや「働く意思と能力があるぬんかいわじゃんかい就けねーらん状態んかいある人」を指すぬで、わじゃ探しをこてんはあきが好きらめた人や失業者んかいや含まれねーん。

なお、わじゃ探しをこてんはあきが好きらめた人や就業意欲喪失者 (discouraged worker) と呼ぶ。ちなみんかい、労働力調査でや、働く意志があるとや、ハローワークんかい通って職探しをするなどわじゃを探す努力やくとぅ業開始ぬ準備をそーんくとぅ、とされている。わじゃんかい就けねーらん状態んかいやわじゃをしなくても職場から給与などを受け取っている場合を含まず、こうしちゃん場合や休業者として扱われる。

労働力調査んかいおける失業者や失業率ぬ定義んかいついてや、「労働力調査」ぬ項みー参照。

・景気等との関係
失業率や景気と相関があると言われているが、動きが一致しーねーや限らねーん。伝統的な日本的経営ぬもとでや、企業や従業員ぬ雇用を守るくとぅを企業ぬ社会的使ぬちてぃーちと考えており、人員整理、特んかい解雇をなるべく忌避し、ぎりぎりまで状況を見極めようとするからやいびぃ〜ん。うぬ反面、採用んかいついても、大企業んかいなるほど、慎重で計画性や人員構成ぬバランスを重んじ、不要不急ぬ採用や避ける傾向んかいある(一方で、近年非正規雇用ぬ採用や柔軟んかい行っており、雇用関係指標をんちゅん際んかいやうぬ点も考慮んかい入れる必要がある)。

また、労働者側も、不況が長期化しーねー就業意欲喪失者が増加するが(不況で求人が少なくなり「どうせ就職ないびらん」とこてんはあきが好きらめる人が増える)、くぬぅため失業者数が減り、失業率を押し下げる要因んかいなり、表面上や景気が回復しちゃんかんかい見える。逆んかい、景気回復局面でや(景気が良くなって求人が増えるやんやー、と)新規んかいわじゃ探しを始める人が現れるぬで、かあきさみよーて就労を希望する「失業者」が増えて、失業率を押し上げるくとぅんかいなる。

以上ぬようなくとぅから、失業率や景気んかい対して遅行指標となっており、失業率ぬみならず他ぬ景気指標を併せてみる必要がある。

他んかいや、失業率と犯罪発生件数や相関があり、失業率が下がると犯罪発生件数が下がるとたーち00むーち年版犯罪白書で報告された。

正規雇用
以みぃ〜ぬ正規雇用んかい比べて雇用、解雇を行いやすいアルバイトや労働者派遣といった非正規雇用労働者ぬ増加を初めとする、労働形態ぬ細分化および複雑化が進行そーん昨なまぬ状況んかいえーてや、失業率ぬ利用んかいとぅー分な注意を要すん。


■その他
日本ぬ労働力調査(統計)でやてぃーちいちち歳以上ぬ人口を原数値として、労働力人口、非労働力人口を算定そーん[むーち]。

てぃーちいちち歳以上人口 = 労働力人口 + 非労働力人口
くぬぅうち

労働力人口 (Labor Force) = 就業者 + 完全失業者
やいびぃ〜ん。うぬため『求人数が増えると就業者数が増加して失業者数が低下し、求人数が減ると就業者数が減うっぴーねぇ失業者数が増加する』すなわち就業者数と失業者数とぬ間んかいトレードオフ(片方が増えれば片方が減る)ぬ関係があると誤解されがちやしが、かならずしも両者んかいトレードオフぬ関係や存在しねーん。これや、非労働力人口ぬ動向が失業者数んかい影響を与えるためやいびぃ〜ん[ななち]。失業率や

失業率 = 完全失業者数 ÷ 労働力人口労働力人口んかい占める完全失業者ぬ割合%)
んかいより算定されているため、求人数が減少する中で完全失業者が労働マチグァーから退出(リタイア)するくとぅで失業率が改善する可能性がある。